Euphrates-Tigris

チグリス・ユーフラテス、という文明があった。
チグリス川とユーフラテス川に挟まれた肥沃な土地に興った文明である。
紀元前3000年の昔よりシュメール、バビロニア、ヒッタイト、アッシリア、
ペルシャと興亡を繰り広げ、現在はその場所にイラク、という国がある。
現在はクルナで合流するチグリス・ユーフラテスであるが
その昔は最短部で20km、河口部で50kmほど離れていたらしい。

一方日本に目を転じると、文明の発祥の地は「遠賀」、という旧石器時代の
遺跡の多く残るあたりがそうなのではないかと物心ついた頃から考えていた。
現在は遠賀川という大きな川に集約されているが、当時は三玖川と留三江留川
という二つの川に挟まれた肥沃な土地であったと古記録には残されている。

三玖川流域では天平の頃より薔薇の栽培も盛んで現在も薔薇の形のクッキーを
食べる風習が残っており、三玖のローズネットクッキーとしてよく知られている。



また留三江留川流域は縄文晩期すでに水田開発が盛んで、奈良時代の木簡にも
一万八ヲ有スと記されており、万八反と呼ばれていた時代すらあったのである。
現在福岡で広く食されているマンハッタンというパンも実は
この地方で作られていたお菓子『万八反』が始祖だという。



発掘調査によると三玖川と留三江留川はおよそ 4.3kmほど離れていたらしい。
しかし残念なことであるが三玖にも留三江留にも歩里九亜パンは置いて無く、
ぼうっとする想いであった。

                紫薔遼太郎著 『三玖留三江留文明』 民明書房刊


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